山の祠を壊したら


田舎で実家に住みながら、
働いてます。
アラサーです。

会社は農家さんが使うような道具を取り扱ってる商店です。
高卒で働いているんで結構長いこと働いてると思います。

仕事のことは今回の話とは関係ないんで、
深くは話しません。

農家さんから聞いた不思議な体験について話そうと思います。

長年地元で暮らしているAさんというかたがいます。
若いころから自分の土地で農業をされてる方です。
ちなみに育てているのは現在は大根ですが、
時期というか、定期的に変えてるみたいです。

そのAさんは土地を結構もってるかたなんですが、
山の中にも土地をもってるんですよね。

で、その土地っていうのが、
農業に使えるような土地でもなくて、
管理するのが大変で、
面倒な土地らしいです。

「そんなに使えないなら、売ったりしないんですか?」
って聞いたことがあるんですよ。
高くで売れないかもしれないけど、
管理の手間がなくなるだけいいじゃないかと思って。

そしたら、
「いやーあの土地は売れねえんだよなあ」
って言われました。

「なんか思い入れがあるんですか?」
って感じで聞いたら、

「あそこに祠があってよ、
何をまつってたのかも知らないんだけど、
適当に売ったりして、
祠をつぶされたりしたら、
なんか嫌だからよー」

ってことをいってました。
その話を聞いても、
信心深いなーってくらいの感想しかなかったんですけど。

別に私の土地ってわけでもないし、
ほんとにそうなんだーってくらいで。
その話もすぐにわすれちゃってたんです。

それから数か月たって、
その土地を買いたいって人が現れたらしいんですよ。

なんでも山をつぶして、
ソーラーパネルを建てようとか。
深くは知らないですけど、
なんかそれでもうける業者がいるらしいですね。

それで、その山の一帯を買おうとしてて、
Aさんの土地にも打診が来たらしいんですけど、
前述のとおり、土地を売る気はなかったそうで。

それで、Aさんは渋ってたそうなんですけど、
その買い取ろうとした人が、
まあソーラーパネル関係の業者なんですが、
結構むりやり買い取ろうとしたらしいんですよね。

当然、昔の地上げ屋みたいなことは
出来ないんですけど、
しつこく営業に行くとか、
Aさんが折れるまでなんとかしてやろうって。

Aさんから聞いてた感じ、
無関係なわたしも
「タチ悪いことするなー」
って思うくらいにはいろいろやってるみたいでした。

それで、
その業者が祠があるから、
売らないっていうなら、
その祠をなくしてしまおうとか考えたそうで。

まあ法律的に普通にやっちゃダメだと思うけど、
その業者はばれないようにできるツテがあったとかなんとか。
これは聞いた話なんで分かりませんが。

その業者にやとわれた人が祠の場所に向かって、
飾ってあったものを壊しまくったそうで。
Aさんの話だと、
神棚みたいなものが中に入っていたそうですが、
まあ全部壊したらしいです。

それで、そのあとどうなったのかって話なんですけど、
その業者からしつこく来てた営業の電話が、
ぷつんと途切れたそう。

数日して、
その祠を壊したっていうやとわれた人がやってきて、
Aさんに全部話したそうです。

業者にやとわれて、
祠を壊したこと。
壊した日から、
仲間がみんな不幸な目にあっていること。

事故で死んだり、
いきなり脳梗塞になって半身不随になったり。
そのAさんを訪ねた人も、
事故にあって、けがをしていたそう。

そして営業の電話をかけていた人も、
連絡つかなくなったそうです。
報酬ももらえなくて、
どうしようもないらしい。
それはそもそもやっちゃダメなことだけど。

Aさんに
「どうにかしてくれ!」
って泣きついたそうだけど、

「いやー、そんなことおれに言われてもなあ……、
先祖代々の土地ってだけで、
何がまつられてるかもしんないし……」
て感じでAさんも困ったらしい。

でもその泣きついた人も、
必死になんとかしてくれというから、
「とりあえず壊したもん直したら?」
とか言ったらしい。

その人は、すぐに祠を直しに行って、
まあそれからどうなったかは、知らない。

連絡はないらしいけど、
なんとかなったのかならなかったのか。

「なんか怖いもんでもまつられてたんかなー?」
Aさんはのんきにそんなことを言っていた。

それからも、土地は売らずに、
祠の管理をしているそうだ。

わたしはそっち系の話はそこまで信じてないが、
まあ不思議なこともあるもんだなーくらいに思って聞いていた。

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